S&P 500を15年以上保有すればマイナスリターンにならないってホント?
日本株式を長期保有していてもマイナスリターンになることはある?
ここ20年でリターンが高い投資先は?
米国株式と日本株式どっちに投資するのが良い?
こういった疑問に答えます。
S&P 500を15年以上保有すればマイナスリターンにならないってホント!?
ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版>によれば、アメリカの主要な500銘柄から構成される株価指数であるS&P 500を1950年以降に15年以上保有すれば今までマイナスリターンになることはなかったというデータがある。
それは半分正しいが半分間違っている。
どういうことかというと、アメリカ人がS&P 500を15年以上保有してから売却した場合、たしかに米ドル換算ではマイナスリターンはない。
しかし、日本人がS&P 500を15年以上保有してから売却した場合、日本円換算ではマイナスリターンになることがある。
例えば、1959年、1963年~1967年、1972年、1997年から15年間保有した場合、日本円換算でマイナスリターンになる。
1958年、1967年、1968年から20年間保有した場合でも、日本円換算でマイナスリターンになる。
なぜかいうと、日本円で米国株式に投資すると株価変動による売却差益と為替差益の両方の影響によってリターンの振れ幅が大きくなり、マイナスリターンになりやすい。
だからと言って米国株式に投資しない方が良いというわけではない。
たとえ日本円で米国株式を保有していたとしても、株価は右肩上がりに上昇しており、長期間保有するほどマイナスリターンになる回数が少なくなっている。
日本株式を長期保有していてもマイナスリターンになることはある!?
日本株式の場合、1989年のバブル時に投資をしていたら2023年までのどの年まで投資していてもマイナスリターンなった。
日本株式はS&P 500と比べると多くの年でマイナスリターンになっていたが、S&P 500と同じように長期投資するほどマイナスリターンになるリスクは低くなる。
ここ20年でリターンが高い投資先は!?
ここ20年(2003年~2023年)の全世界株式のリターン7.0%を基準として日本株式と米国株式を中心に日本円換算のリターンを見てみる。
日本株式はリターンが低く、TOPIXは4.2%、日経平均は5.9%となっており、日本株式に投資していたら、プラスリターンではあるがリターンは低い結果となった。
日本株式と同様に新興国株式のリターンは5.8%と低いだけでなく、リスク(標準偏差)は28.9%と高く、最も投資効率の悪い投資先の一つと言える。
米国株式はリターンが高く、NASDAQ 100は14.6%、S&P 500は9.1%となっており、米国株式に投資していたらリターンは一番高い結果となった。
米国株式と日本株式どっちに投資するのが良い!?
1953年~2023年の70年間のS&P 500と日経平均の日本円換算の株価推移を見てみる。
年率リターンを見てみると、S&P 500は6.4%、日経平均は6.6%となっており、日経平均の方が高い。
リターンの振れ幅を表すリスク(標準偏差)を見てみると、S&P 500は20.7%、日経平均は23.5%となっており、S&P 500の方が低い。
投資の効率性を表すシャープレシオ(リスクあたりのリターン)を見てみると、S&P 500は0.31、日経平均は0.28となっており、S&P 500の方が高い。
S&P 500の方がリターンは低いが、シャープレシオが高く、日本のバブル期みたいな大きな株価高騰もなく株価は右肩上がりに上昇しているので、効率的な投資先としては日経平均よりもS&P 500に投資する方が良い。
日本人みんながインデックス投資を知り、豊かな人生を送ることを願っています。
おすすめシミュレーション
今回の記事作成に使用した株価分析シミュレーションです。
主要な株価指数の①値上がり率、②年率リターン、③リスク(標準偏差)、④シャープレシオ(リスクあたりのリターン)を米ドル換算だけでなく日本円換算でも確認することができます。
自作したので、良かったら使ってみてください。