毎日忙しいけど、投資を始められるかなぁ。
お金を増やすためには企業分析とかしないといけないのかなぁ。
簡単に勝てる投資方法を知りたいなぁ。
こういった疑問に答えます。
投資はヒマが正解!
時間をかけて企業分析や株価分析をするほど投資のリターンが高くなるという意見は多くあります。
実はその逆で、投資はリターンが低くリスクが高い人ほど忙しく、リターンが高くリスクが低い人ほどヒマです。
今回は、なぜリターンが高くリスクが低い人ほどヒマなのかを紹介していきます。
リターンが低い人ほど忙しい
企業分析や株価分析をして売買を繰り返す人ほどリターンは低くなります。
インデックス投資の名著『ウォール街のランダム・ウォーカー』ではこのように書かれています。
株価指数に連動するインデックスファンドをコツコツ買い続ける方が、プロが運用するアクティブファンドよりも投資成績が良くなります。
出典:Malkiel, Burton G. (2018). A Random Walk Down Wall Street. 11th edition.
アクティブファンドの投資成績が悪い2つの理由
①アクティブファンドは手数料が高い
②短期的な株価の変化を予測することは不可能に近く、目隠ししたサルがダーツで株の銘柄を選んでいるのと同じ
実際にプロが運用するアクティブファンドの投資成績は本当に悪かったのでしょうか。
過去10年間の投資成績が株価指数より悪いアクティブファンドの割合
ファンド分類 | 比較指数 | 10年 |
---|---|---|
米国株式ファンド | S&P 500 | 87.5% |
全世界株式ファンド | S&P グローバル 1200指数 | 94.4% |
株価指数に連動するインデックスファンドの投資成績は、アクティブファンドの大半を打ち負かしていることがわかります。
アクティブファンドの一部が勝っているのも事実で、個人投資家でもインデックスファンドに勝てるのではないかと思うかもしれませんが、運が良くて勝っているに過ぎません。
それは宝くじを買うのと同じで、宝くじの還元率は約50%なのでほとんどの人が負けていますが、1,000万分の1の人は1等7億円が当選して大勝ちします。
プロの投資家が運用するアクティブファンドでもインデックスファンドに勝てないことからも、個人投資家ではインデックスファンドに勝つことができないのは容易に想像でき、短期的な株価の変化を予測するのは不可能ということがわかります。
短期的な株価の変化を予測するのは不可能なのであれば、国・資産クラスが同じ場合は期待リターンは同じであると言えます。
例えば、アメリカの代表的な500銘柄の株式指数であるS&P 500に連動するインデックスファンドを買っても、米国の個別株を買っても、期待リターンは同じであると言えます。
期待リターンが同じであれば、企業分析や株価分析をして個別株の売買を繰り返す忙しい人ほどコストが高くなり、リターンが低くなります。
リスクが高い人ほど忙しい
短期的な株価の変化を予測するのは不可能なので、企業分析や株価分析をして売買を繰り返す人ほどリスクは高くなります。
売買を繰り返す人は保有銘柄のチャートを追わないといけないため、一度に扱える銘柄数は10銘柄前後になります。
保有期間が短期であるほど値動きが大きくなり、リスクが高くなります。
また、保有銘柄数が少ないほど保有銘柄全体の値動きは大きくなり、リスクが高くなります。
リスクが高くなる典型的な例はこちらです。
上図のVTIは約3,600銘柄で構成されており、AXPは個別株なので1銘柄です。
2007~2009年を見ると分かるように短期である場合、値動きが大きく下がったり上がったりすることがわかります。
銘柄数の多いVTIよりも少ないAXPの方が上下のバラつきが大きくなり、標準偏差の計算上2.5倍も値動きが大きくなっています。
個別株でも株価が下がりきる前に損切り(損をする前に売ること)をすればリスクを低くできるのではないかと思う人もいるかもしれませんが、トータルで見るとリスクは変わりません。
企業分析や株価分析をして個別株の売買を繰り返す忙しい人ほど、保有銘柄数が少なく短期間だけ保有するため、リスクは高くなります。
リターンが高くリスクが低い人ほどヒマ
企業分析や株価分析をして個別株の売買を繰り返す忙しい人ほど、コストは高く、リターンは低く、リスクは高くなります。
個人投資家はどうしたらコストを低く、リターンを高く、リスクを低くできるのでしょうか。
コストを低く、リターンを高くする方法はこちらです。
①売買手数料を低くするためにバイ&ホールド(買ったら売らない)で長期投資する
②運用手数料の低い金融商品に投資する
リスクを低くする方法はこちらです。
①保有銘柄の時価評価額のバラつきを少なくするため、複数銘柄に分散投資する
②買ってから売るまでの時価評価額のバラつきが少なくするため、長期投資する
これら全ての条件を満たした最もリターンが高くリスクが低い投資方法は、
『インデックスファンドの長期投資』
です。
『インデックスファンドの長期投資』の作業内容
初めの1回の作業
①毎月積立購入の設定
毎月1回の作業
①投資元本の入金(年1回でも良い)
毎年1回の作業
①リバランス
②必要であれば、毎月積立購入の設定変更
③必要であれば、確定申告
作業内容を見てわかるように1年に1時間作業をするだけで十分で、他に何もやることがありません。
投資は、リターンが高くリスクが低い人ほどヒマです。
まとめ
リターンが低くリスクが高い人の特徴
●個別株を売買する人
●保有銘柄数が少ない人
●短期売買を繰り返す人
リターンが高くリスクが低い人の特徴
●インデックスファンドに投資する人
●長期投資する人
最もリターンが高くリスクが低い投資方法は、『インデックスファンドの長期投資』ということがわかりました。
『インデックスファンドの長期投資』は1年に1時間作業をするだけで十分で、他に何もやることがありません。
投資はヒマが正解です。
日本人みんなが投資を知り、勝てる投資をして、豊かな生活を送ることを願っています。