投資に時間をいっぱい使っているけど、見合ったリターンが得られていない気がする。
投資にどれぐらいの時間を使うのが良いの?
こういった疑問に答えます。
資産運用との適切な距離感
最近では働き方改革の推進によって、ワークライフバランスが大切だと言われるようになりました。
仕事と生活のバランスを取って、相乗効率により豊かな人生にする。
この意見には大賛成です。
資産運用も全く同じです。
仕事と生活と資産運用のバランスを取って、相乗効果により豊かな人生にする。
これが必要ではないでしょうか。
資産運用に時間を使いすぎてもバランスが悪くなりますし、使わなさすぎてもバランスが悪くなります。
今回は、資産運用に使うべき適切な時間についてわかりやすく紹介していきます。
膨大なお金持ちへのインタビューをまとめた名著『となりの億万長者』を参考にし、
●蓄財劣等生…純資産額が下位4分の1の人
●蓄財優等生…純資産額が上位4分の1の人
へのインタビューをしながら紹介していきます。
資産運用の勉強時間
ベテランのインデックス投資家Iさんはこう言います。
資産運用はとても簡単です。
全世界株式インデックスファンドに投資して、ほっておくだけです。
投資に時間をかけすぎても、リターンに比例しません。
全くもって正しい意見です。
たくさん勉強して、たくさん経験したベテランだから言えるセリフです。
しかし、初心者はベテランのように腹落ちしていません。
初心者は投資を始めても、途中で売ってしまったり、余裕資金があるのに追加購入できなかったりします。
それは、資産運用の勉強不足が原因です。
では、資産運用の勉強時間はどれぐらいが適切なのでしょうか。
蓄財劣等生と蓄財優等生に資産運用の勉強時間について聞いてみましょう。
まずは、蓄財劣等生に聞いてみます。
蓄財劣等生Jさん、資産運用の勉強にどれぐらい時間を使いますか?
老後資金は心配ですが、資産運用には全く時間を使いません。
毎週20時間も資産運用に使う時間はありません。
資産運用をする時間があるなら、ポルシェを安く買うための調査に時間を使います。
実は私、毎年新車のポルシェを買うのですが、原価に近い値段で手に入れることができるんですよ!
蓄財劣等生の特徴
●老後の心配をするだけで、行動に移らない
●資産運用にかける時間は毎月平均4.6時間
●資産運用に全く時間をかけないタイプ、取引に毎週何十時間もかけるタイプの、両極端に分かれる
●投資で稼ぐためには、毎週何十時間も必要だと勘違いしている
●趣味にはお金と時間を使う
●仕事と資産運用を切り離して考える
●専門家に投資判断を委ねる
次に、蓄財優等生に聞いてみます。
蓄財優等生Iさん、資産運用の勉強にどれぐらい時間を使いますか?
老後資金は心配なので、毎月、本やブログで8時間ほど勉強しています。
その効果もあって、順調にお金が増え続けています。
蓄財優等生の特徴
●老後の心配をし、そのための行動もする
●資産運用にかける時間は毎月平均8.4時間
●倹約を大切にする
●投資の取引にはほとんど時間をかけない
●仕事と資産運用を一緒に考える
●自分で投資判断をする
資産運用の勉強時間が多すぎるとビジネススキルのアップや趣味に使う時間がなくなりますし、少なすぎると適切な資産運用ができなくなります。
資産運用歴3年未満の初心者は、本、Youtube、ブログなどで資産運用の勉強を毎月12時間するのが適切です。
資産運用歴3年以上の中・上級者の人は、資産運用の勉強を毎月6時間するのが適切です。
資産評価額の確認頻度
投資家が亡くなった後にほったらかしにされていた証券口座や、投資していることを忘れていた証券口座ほどリターンが高かったというデータがあります。
その理由は、プロスペクト理論の損失回避性によって説明ができます。
人は得をするよりも損をする方が、精神的ダメージが大きいと言われています。
資産評価額を確認するほど、損をしたくないという感情が大きくなり、売買を繰り返します。
売買を繰り返すことによって、機会損失と売買コストによりリターンが低くなります。
では、資産評価額の確認頻度はどれぐらいが適切なのでしょうか。
蓄財劣等生と蓄財優等生に資産評価額の確認頻度について聞いてみましょう。
まずは、蓄財劣等生に聞いてみます。
蓄財劣等生Kさん、資産評価額の確認頻度はどれぐらいですか?
毎日3時間はチャートを見て売買しているので、資産評価額は毎日確認しています。
株は、安く買って、高く売れば、儲かります。
成果はまだ出ていないんですけどね。
蓄財劣等生の特徴
●資産評価額の確認は週1回以上
●売買を繰り返す
●売買手数料をたくさん払う
●短期投資が儲かると信じている
次に、蓄財優等生に聞いてみます。
蓄財優等生Iさん、資産評価額の確認頻度はどれぐらいですか?
資産評価額の確認頻度は3ヶ月に1回ですね。
老後まで取り崩すつもりもないですし、毎月積立設定をしているので、ほとんど確認する必要がありません。
一度波に乗ってのってしまえば、はっきり言って、資産運用はヒマです。
蓄財優等生の特徴
●資産評価額の確認は月1回以下
●バイ&ホールド(買ったら売らない)
●売買手数料をほとんど払わない
●長期投資が最も効率的だと知っている
億万長者のほとんどは長期投資をしており、資産評価額の確認頻度が少なく、一年以内に売る人は1割未満だそうです。
資産評価額の確認頻度が多すぎると売買を繰り返してしまいますし、年1回未満だとリバランスの頻度が少なすぎてリターンが低くなります。
資産評価額の確認頻度は月1回~年1回が適切です。
資産計画の見直し頻度
資産計画のうちアセットアロケーションは、老後30年生きるための最も重要な計画書です。
様々な研究により、アセットアロケーションによって投資成績の9割が決まると言われています。
大学受験する時、勉強計画を立てませんか?
DIYで棚を作るとき、設計図を描きませんか?
資産運用は、大学受験やDIYよりも長期戦です。
資産計画のミスが、人生に大きな悪影響を与えることは簡単に想像できますね。
では、資産評価額の確認頻度はどれぐらいが適切なのでしょうか。
蓄財劣等生と蓄財優等生に資産計画の見直し頻度について聞いてみましょう。
まずは、蓄財劣等生に聞いてみます。
蓄財劣等生Kさん、資産計画の見直し頻度はどれぐらいですか?
資産計画!?
昔立てた記憶はあるけど、どんな計画だったか・・・。
お金は、増えれば増えるほどいいんじゃないですか。
あえて言うなら、資産計画は『できるだけ稼ぐ』ですね。
蓄財劣等生の特徴
●資産計画を立てない
●資産計画を立ててもほとんど見直さない
●過度なリスクを取る
次に、蓄財優等生に聞いてみます。
蓄財優等生Iさん、資産計画の見直し頻度はどれぐらいですか?
資産計画の見直し頻度は1年に1回ですね。
資産計画として、ライフイベント表、キャッシュフロー表、アセットアロケーション、ポートフォリオを作成しています。
初心者の頃は資産計画を3ヶ月に1回修正していましたが、現在ではほとんど修正することはありません。
ここ数年は1年の振り返りをするのが目的になっていますね。
蓄財優等生の特徴
●資産運用を始める前に資産計画を立てる
●資産計画に沿って資産運用する
●資産計画の見直し頻度は年1~4回
●適切なリスクを取る
資産計画の見直し頻度が多すぎると資産運用の方向性を見失いますし、少なすぎると計画と実績のズレが大きくなりすぎて、計画の現実味がなくなります。
資産運用歴3年未満の初心者は、資産計画の見直しを3ヶ月に1回するのが適切です。
資産運用歴3年以上の中・上級者の人は、資産計画の見直しを1年に1回するのが適切です。
まとめ
初心者(資産運用歴3年未満)の適切な距離感
●資産運用の勉強時間 :月12時間
●資産評価額の確認頻度:月1回~3ヶ月に1回
●資産計画の見直し頻度:3ヶ月に1回
中・上級者(資産運用歴3年以上)の適切な距離感
●資産運用の勉強時間 :月6時間
●資産評価額の確認頻度:月1回~年1回
●資産計画の見直し頻度:年1回
日本人みんなが投資を知り、勝てる投資をして、豊かな人生を送ることを願っています。
おすすめ関連記事
膨大なインタビューをまとめた名著「となりの億万長者」を参考にし、億万長者の7つの特徴を対話形式で紹介しています。
おすすめ書籍
今回、当記事で紹介した、膨大なインタビューから億万長者の実像を描いた名著です。