インデックス投資がうまくいくか心配だなぁ。
投資に時間をかける余裕がないけど大丈夫かなぁ。
やっても無意味なことをやめたいなぁ。
こういった疑問に答えます。
インデックス投資でやっても無意味な7つのこと
インデックス投資でやっても無意味なことを知れば、手間を省くことができます。
『時は金なり』ということわざがあるように、無駄を省いて時間を作ることができれば、人生が少し豊かになるのではないでしょうか。
今回は、インデックス投資でやっても無意味な7つのことを紹介していきます。
投資の王道である長期・分散・積立のインデックス投資をすることを前提として読み進めて頂ければと思います。
①株価が下がったタイミングを読んで追加投資する
短期的な株価を予測することが難しいにもかかわらず、株価が下がったタイミングを読んで追加投資するのは無意味であると言えます。
人間はコロナショック後すぐに株価が最高値を更新することが予測できなかったように、短期的な株価を予測することはできません。
次の2つの具体例を見れば、短期的な株価の予測がいかに難しいかわかると思います。
例①:S&P 500の過去3年のチャートがこのような場合、あなたなら追加投資しますか?しませんか?
このチャートは、2008年1月6日時点の株価です。
リーマンショックにより、この株価は1年間かけて約50%減少します。
追加投資するベストなタイミングが、1年後だなんて予測できませんよね。
例②:S&P 500の過去3年のチャートがこのような場合、あなたなら追加投資しますか?しませんか?
このチャートは、2014年1月26日時点の株価です。
今後この株価よりも低くなることは今まで1度もありません。
追加投資するベストなタイミングが、現在だなんて予測できませんよね。
タイミングを読んで追加投資するのはとても難しいということがわかって頂けたでしょうか。
「短期的な株価が予測できないのであれば、最高値から一定割合株価が下落したタイミングで追加投資すれば良いのではないか」という意見もあると思います。
たしかにその方法であれば株価が安いタイミングで買えますが、追加投資するための種銭(現金)をあらかじめ準備しておかなければなりません。
その種銭は運用されていないのでリターンを得るチャンスを失っているということが言えます。
私たちが唯一わかっていることは、長期的には株価が上がっていくということです。
株価が下がったタイミングを読んで追加投資するのではなく、タイミングを計らずに全ての余裕資金を毎月コツコツと投資するのがおすすめです。
②海外ETF(VT, VTI, VOO)に投資する
海外ETFも投資信託もリターンはほとんど変わらないにもかかわらず、海外ETFに投資するのは無意味であると言えます。
投資の世界では、全世界株式または米国株式のインデックスファンドに投資するのが一番効率が良いと言われています。
そのどちらかに投資する方法として、投資信託と海外ETFがあります。
最近では、全世界株式に投資するVTや、米国株式に投資するVTI・VOOの海外ETFが人気となっていますが、実は海外ETFと投資信託のリターンとコストはほとんど同じです。
「海外ETFの方が運用コストは安いのでリターンが高くなるのではないか」という意見もあると思います。
たしかに海外ETFの方が運用コストは安いのですが、為替コストが余計にかかるためトータルコストは投資信託とほとんど変わりません。
「海外ETFは配当金が出るからリターンが高いのではないか」という意見もあると思います。
たしかに海外ETFは配当金が入金され、再投資することで口数も増え、資産が多くなっている気がするかもしれませんが、投資信託は税引前の配当金が自動的に再投資されているので、リターンはどちらもほとんど変わりません。
海外ETF(VT, VTI, VOO)に投資しても良いですが、手間のかからない投資信託に投資するのがおすすめです。
③毎日積立投資する
毎日積立投資も毎月積立投資もリスクはほとんど変わらないにもかかわらず、毎日積立投資するのは無意味であると言えます。
投資方法としては積立投資することが推奨されており、積立頻度としては毎月1回が基準とされています。
投資の王道である長期投資で30年間運用した場合、毎日積立投資と毎月積立投資ではどれぐらいの差があるか計算してみます。
毎日積立投資の場合、株式市場の営業日数が年間約240日なので、7,200回に分けて投資することになります。
毎月積立投資の場合、年間12回投資するので、360回に分けて投資することになります。
毎月積立投資であっても360回に分けて投資されますので、時間の分散投資としても十分に効果があることがわかります。
「少しの差ではあるが、毎日積立投資の方がリスクを減らす効果が高いのではないか」という意見もあると思います。
たしかに毎日の方がリスクは減らす効果が少しだけ高いかもしれませんが、実は毎日積立投資をする人はリターンを得るチャンスを失っています。
毎月積立投資をする場合、給料日に全ての余裕資金を一括で投資することができますが、毎日積立投資をする場合、給料日から1ヶ月間かけて毎日投資するので、待機してある種銭は運用されずリターンを得るチャンスを失っているということが言えます。
毎日積立投資でも良いですが、少しだけリターンが高く、手間のかからない毎月積立投資するのがおすすめです。
④ポートフォリオに債券を組み入れる
ポートフォリオに株式と債券を組み入れても、株式と現金(現金・預金を含む)を組み入れても、リスクはほとんど変わらないにもかかわらず、ポートフォリオに債券を組み入れるのは無意味であると言えます。
投資の世界では、一般的にポートフォリオに株式と債券を組み入れることが推奨されており、株式と債券の値動きは逆になると言われていましたが、最近ではその常識が常識ではなくなりつつあり、思うような値動きになりません。
「思うような値動きにならなくても、株式だけではリスクが高いので、債券も組み入れてポートフォリオのリスクを低くしたい」という意見もあると思います。
たしかに債券を組み入れるとポートフォリオのリスクは低くなりますが、実は隠れているリスクがあります。
例:元本100万円でリターン6%・リスク12%のポートフォリオを作りたいとします。
あなたならこれらの株式と債券をどのように組み入れますか?
株式 リターン8% リスク16%
債券 リターン4% リスク8%
株式を50万円、債券を50万円でポートフォリオを組むと考えると人は多いのではないでしょうか。
そうすればたしかにリターン6%・リスク12%になります。
おすすめとしては、株式を75万円、現金を25万円でポートフォリオを組み、リターン6%・リスク12%にすることです。
なぜなら、同じリターン・リスクであれば、元本保証である現金をなるべく多く持っておいた方が、お金を守れる可能性が高く、リスクが低いと言えます。
ポートフォリオに債券を組み入れるのではなく、ポートフォリオに株式と現金を組み入れて、現金比率でリスクを調整するのがおすすめです。
⑤同じ内容の銘柄に分散投資する
リスクはほとんど変わらないにもかかわらず、同じ内容の銘柄に分散投資するのは無意味であると言えます。
同じ内容の銘柄に投資しても、リターン・リスクが変わることはありません。
例:同じ内容の2つの銘柄がある場合、あなたなら分散投資しますか?しませんか?
eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) | SBI・全世界株 インデックス・ ファンド | |
---|---|---|
運用方針 | MSCI ACWI に連動する投資成績を目指す | FTSE GEISAC に連動する投資成績を目指す |
信託報酬 | 0.1144% | 0.1102% |
純資産額 | 621.93億円 | 114.08億円 |
どちらの銘柄も全世界株式に連動する投資成績を目指しており、リターン・リスクはほとんど変わりません。
「同じ内容の銘柄でもリターン・リスクが変わることはあるのではないか」という意見もあると思います。
たしかに同じ内容の銘柄でも1年間のリターン・リスクが変わることはありますが、長期的に見たらほとんど変わりません。
同じ内容の銘柄に分散投資するのではなく、管理が楽な1銘柄だけに投資することをおすすめします。
⑥複数の証券会社で取引する
倒産によって資産が減るリスクはほとんどないにもかかわらず、複数の証券会社で取引することは無意味であると言えます。
投資したい商品が別々にあるのであれば複数の証券会社と取引しても良いと思いますが、現在のネット証券会社は商品数が豊富でコストも安いので、ネット証券会社1社で取引すれば十分ではないでしょうか。
「証券会社を分散した方が、倒産リスクを減らせるのではないか」という意見もあると思います。
たしかに証券会社でも倒産する可能性はありますが、証券会社は顧客資産の分別管理が義務付けられており、倒産しても全ての顧客資産を返すことが法律により定められています。
法律違反を犯して分別管理を怠った場合でも、顧客資産1,000万円まで補償されます。
証券会社で運用している顧客資産は、二重のセーフティネットによって保護されているので安心することができます。
複数の証券会社で取引するのではなく、管理が楽なネット証券会社1社で取引することをおすすめします。
⑦評価額を何回も確認する
リターンは全く変わらないにもかかわらず、評価額を何回も確認することは無意味であると言えます。
長期投資をする場合、重要なのは数十年後に取り崩す時の評価額であり、現在の評価額ではありません。
現在の評価額を何回確認しても、リターンが良くなるわけではありませんので、確認するだけ無駄です。
「評価額が上がったか下がったか気になる」という意見もあると思います。
たしかに評価額がどうなっているか気になる気持ちもわかりますが、確認する回数が多いほど途中で売ってしまい、リターンが低くなるというデータもあるので、なるべく確認回数は減らした方が良いでしょう。
評価額を何回も確認するのではなく、評価額の確認は年1回ぐらいがおすすめです。
まとめ
やっても無意味な7つのこと
①株価が下がったタイミングを読んで追加投資する
②海外ETF(VT, VTI, VOO)に投資する
③毎日積立投資する
④ポートフォリオに債券を組み入れる
⑤同じ内容の銘柄に分散投資する
⑥複数の証券会社で取引する
⑦評価額を何回も確認する
やった方が良い7つのこと
①全ての余裕資金を毎月コツコツと投資する
②投資信託に投資する
③毎月積立投資する
④ポートフォリオに債券を組み入れない
⑤同じ内容の銘柄は1銘柄だけに投資する
⑥ネット証券会社1社で取引する
⑦評価額は年1回だけ確認する
日本人みんなが投資を知り、勝てる投資をして、豊かな人生を送ることを願っています。
おすすめ書籍
絶対に知っておくべきお金に関する知識を広く浅く学べるお金の教科書です。